昨日書いたように世界最古の人工甘味料であるサッカリンについて
大西医師の記事からまとめていきます。
1879年に発見されてから世界中で使用されるようになりましたが、
世界各国では発がん性をめぐり対応は様々です。
世界で最も使用されている国は
・アメリカ
・中国
とくにアメリカでは普通のように使用れています。
その理由はダイエットです。
カロリーが少なく、血糖を上げないということがその理由です。
そして経済的な理由です。
サトウキビやテンサイなどから造られる自然の甘味料と比べ、
かなり安くなるからです。
同じ甘味を出すのに1/200でいいのです。
ゆえに発見されるやいなや世界中に広がっていました。
ダイエットブームで今もなお多く使用されています。
戦後、急拡大していく最中に発がん性の疑いが出てきたのです。
しかし、その動きに猛反発したのはアメリカ国民でした。
その理由はほかならないダイエットだからです。
特にカロリーの少ない甘味料として手放しくたくない
糖尿病患者、家族、医療関係者たちです。
また、サッカリンを使用しているダイエット飲料の企業、愛好家たちで、
やむなく条件付きで使用を認めます。
そして最近は人工甘味料の中で最も安全なものというお墨付きです。
では日本はどうなのかです。
1853年、江戸時代末期、日本に渡来した黒船とともに
レモネード(ラムネ)が渡来しました。
日本では藤瀬半兵衛がその外国人から製造方法を学び、ラムネと呼ばれます。
1886(M19)はコレラが大流行し、東京から地方に広がり、
10万人の死者が出ていますが、新聞で炭酸ガス入りの飲料(ラムネ)は
恐るべきコレラに冒されないと記事にしたため、一気に流行します。
生水より、炭酸飲料方が安全だとか、コレラ菌の増殖を抑えるとかいう
口コミで国民的大ブームとなります。
そしてドイツからサッカリンが輸入れ、安価なサッカリンはラムネの甘味料として、
利用は急増します。その頃、欧米では健康への害が問題なっていました。
そして1901年日本政府は使用禁止にします。
人体に有害と認められた言う理由でしたが、それは別の理由があったのです。
日清戦争で台湾を植民地にした日本は、サトウキビ生産が大量にできるようになり、
台湾の製糖業を発展させることからサッカリンの使用を規制したのです。
しかし、太平洋戦争で日本は深刻な砂糖不足になります。
1939年1人あたり 16㎏の砂糖年間消費量 戦争末期の1944年には3kgとなり、
敗戦の1945年には0.64㎏と急減し、1946年は限りなくゼロに近くなって、
江戸幕末水準なってしまいます。
それが朝鮮戦争勃発で続き、日本国民は甘さを求めようになっていきます。
そこで禁止されていたサッカリンが1947年に認可され、
5年後にはズルチン(注・01)がドイツから輸入され、大流行します。
他にもダイナマイトの原料であるニトログリセリン(注・02)も使用され、
中毒者を生み出します。
ズルチン(注・01)
人工甘味料の一種。 食品添加物として許可されていない。 甘味度は砂糖の220~250倍で、サッカリンナトリウムと併用するとさらに甘味度が増し、砂糖の味に似る。 1948年に食品添加物に指定、戦後の甘味料不足で大いに使われた。
しかし消化酵素に対して抑制作用があり、長期間連用すると血液毒になるなど種々の毒性が確かめられた。1947年に幼児が5gなめて死亡したのを始め、1963年、1966年にさらに死亡者が出たため1967年6月16日にしょうゆなど10品目に使用制限した。
ニトログリセリン(注・02)
化学式C3H8O3、示性式はC3H5(OH)3 で表される物質。無色透明のねっとりとした液体。甘味があり、水に溶けやすい。基本的に人体に無害。甘味料や増粘安定剤として食品に添加されたり、保湿剤や潤滑剤として医薬品に添加されたりする。グリセリンは高い吸湿効果があり、粘性もあるため、軟膏、保湿クリーム、化粧水などに配合されている場合も多い。グリセリン自体も市販されている。保湿液としての用途が想定されている商品もあれば、植物由来の天然グリセリンを原料としており保存剤として食品に添加できるグリセリンもある。グリセリンを硝酸エステル化した物質がニトログ'リセリンであり、ニトログリセリンはダイナマイトの火薬として知られる。このため、グリセリンの用途に「火薬の材料」という項目が加わることがままある。