発酵食や飲料は人間の体にどのような有益な状態になるのか考えてみましょう。
1・長期保存が可能である
冷蔵庫という文明の利器がまだなかった時代、人々は知恵を絞って
「食品をいかに長く保存するか?」に挑戦し、
さまざまな方法を編み出してきました。
例えば、食べ物を乾燥させて干物や乾物にしたり、煙でいぶして燻製にしたり、
塩や砂糖に漬け込んだり、灰の中に入れておいたり、
これらの方法には、いずれも腐敗菌を増えにくくする効果があります。
発酵もまた腐敗菌の繁殖を抑え、食べ物の保存性を高めるひとつの方法です。
さらに発酵によってうまれたアルコールや酢酸、
乳酸そのものにも殺菌効果があります。
わたしたちにとって有用ではない微生物が繁殖したらどうなるでしょう?
悪臭がしたり、食べると変な味がしたり、お腹を壊したり、
食中毒を起こしたりします。それをわたしたちは「腐る」
「腐敗」と言って嫌がります。
しかし発酵も腐敗も、「微生物が活動して食品を変化させる」という
メカニズムは同じです。
その結果が人間にとって好ましく有用なものを「発酵」、
不快で有害となるものを「腐敗」と呼んでいるだけのちがいなのです!
発酵: 微生物の活動によって、食品が人間にとって有用なものに変わる場合
腐敗: 微生物の活動によって、食品が人間にとって有害なものに変わる場合
微生物が働くメカニズムは同じで、「発酵」か「腐敗」かをジャッジしているのは、
あくまで人間の主観です。
長い年月の中でわたしたちが好ましいと思った「発酵」を発見し、
その様子を観察・研究し、優秀な微生物を選別・培養して、
さらに有用性を高めていく。
そんな人間の飽くなき向上心が、発酵食品の文化を育んできたといえるのです。
微生物の世界の特質として、一定の環境の下で複数の微生物がいた場合、
ある微生物が繁殖を独占し、他の菌の増殖を許さないという作用が働きます。
それは微生物たちの生存競争。弱肉強食のバトルです。
「拮抗作用」と呼ばれるこの作用によって、発酵を行う微生物が優位に立てば、
腐敗を招く菌の繁殖や侵入が抑えられ、
その結果、発酵食品は腐らず長期保存が可能になるのです。
分かりやすい例は、ブドウです。放っておけばすぐざま腐ります。
しかし、いつまでも腐らないようにするには、発酵させ「ワイン」としました。
ワインは世界で最も多くの地域で飲用されているアルコール飲料の一つです。
ワインは極めて歴史の古い酒の一つであり、新石器時代に醸造が始まったようです。
ワインは主に3種類に分類されます。
1・白ワイン
2・赤ワイン
3・ロゼワイン