発酵食品は、体験的に体によいことが知られ、
古くから世界各地で伝承されてきました。
たとえばヨーグルトのはじまりは、紀元前5000~6000年頃とされます。
東地中海地域で家畜として飼われていた牛や羊の乳を食料に用い始めたとき、
偶然に乳酸菌が混入し、自然発酵して、ヨーグルトの原形である
発酵乳が誕生したのではないかといわれています。
日本でも縄文・弥生時代には、発酵を利用した干物やなれずしが作られていたようです。
さらに遺唐使が奈良・平安時代に中国に渡り、
みそ、酢、酒、醤ひしお、漬物のはじまりを日本にもたらしたとされています。
以来、これらの発酵食品は、日本人の食生活の中で大切に育まれ、
それぞれの地域で、気候風土や原料事情、好みに合わせて、
さまざまな特色を持つ「ふるさとの味」としてつくられるようになりました。
腐敗を防いで、保存に適した状態へと変化させ、
さらには豊かなうまみや風味を加える――。
発酵食品は、人々の食生活を支えてきました。
近年、研究が進んで、さまざまな健康効果があることが立証されています。
発酵食品は、まさに“生きた健康食”。食べ続けることで、
その健康効果を発揮します。
しかも手づくりなら無添加で、食材も自分で選べるから安心です。
発酵食、カラダに良い5つの理由
1・免疫力を高める
体の免疫機能の実に60%は腸に集中しています。
体に侵入してくる病原菌や有害物質などの異物から体を守るために、
多くの免疫防御システムが備わっています。
この腸を元気にすることが、免疫力を高め、体全体の健康を保つ近道。
発酵食品に含まれる乳酸菌は、糖を分解して乳酸をつくり出す細菌の総称です。
腸内を弱酸性に保って悪玉菌を駆逐、善玉菌を優勢にします。
納豆菌にも、腸内で善玉菌を増やす働きがあることがわかっています。
また、麹も乳酸菌を含むほか、多くの酵素による発酵過程ででんぷんを
オリゴ糖にも変えるため、腸内細菌の状態を善玉菌優勢にしてくれます。
2・アンチエイジング効果
体のサビともいわれる老化の原因・活性酸素。
麹菌がでんぷんを糖に分解する途中でできるコウジ酸には、
この活性酸素の働きを抑え、
細胞を活性化させるアンチエイジング効果があるといわれます。
また、納豆やみそなど、大豆を原料とする発酵食品に含まれている
ポリアミンという抗酸化成分には、
動脈硬化の抑制効果があるとの研究報告があります。
発酵過程そのものが抗酸化作用を強めることも、わかってきました。
もとの食品に含まれているビタミンCやカロテン、
カテキン、フラボノイドといった抗酸化物質は、
発酵によってさまざまな酵素が働くことで、効率よく抽出され、
非常に強い抗酸化作用を発揮するようになるといわれています。