ともあれ清涼飲料水に含まれる「果糖ぶどう糖液糖」や
「ぶとう糖果糖液糖」と書かれてあると、
これは天然甘味料に分類されているのだから安心と思ってしまいますが、
そのが、「天然」の2文字をうのみにしてはいけないのです。
もともと日本においては、
国内で余剰気味のサツマイモ等などを原料とした糖類を作る技術が求められており、
競って研究が進められた結果、1960年代後半から1970年代にかけて
異性化糖の技術が確立されました。
高崎義幸らのグループにおいて開発されたものですが、
日本においては普及は遅く、その技術はアメリカに渡りました。
その理由は、アメリカはキューバ危機で砂糖が急速に不足していきましたので
日本のこの技術にアメリカ政府が注目したのです。
トウモロコシを栽培してもらい、そこに遺伝子組み換えも入り、
大量生産が可能となりましたので、異性化糖つまり
「高フルクトース・コーンシロップが、急増し、アメリカの炭酸飲料、果実飲料、
スポーツドリンク、シリアル、ジャム、パン、ヨーグルト、ケチャップなど
現在、アメリカ人の食べるもの大半に使用されています。
たとえばマクドナルドをみましょう。
1・コーンをたっぷり食べさせられた牛肉
2・コーン油で揚げたポテト
3・コーンシロップがたっぷり入った飲み物
この3つともコーンづくしです。
さらにアメリカ人の日常生活でもスターチ、甘味料、コーン油、飲料、
工業用アルコール、燃料エタノールなど、大変多くの食品、工業製品に加工されます。
歯磨き粉、化粧品から接着剤、靴墨まで、何千もの食品、
日用品の製造にトウモロコシが使われています。
トウモロコシ製品は多くの工業用途において、急速に石油に取りかわっています。
ポリ乳酸 (PLA)、トウモロコシから作られた生分解性プラスチックは衣服、
包装材、じゅうたん、レクリエーション用品や食器類などの
さまざまな日用品の製造にうまく使われています。
これらの製品は生分解性であり、再生可能資源から作られているため、
環境にも莫大な恩恵をもたらしています。
トウモロコシは生産高・売上高ともに、米国最大の農作物です。
アイオワ州、イリノイ州、ネブラスカ州、そしてミネソタ州が米国で生産される
トウモロコシの50%を産出しています。
その他の主要なトウモロコシ生産州は、インディアナ、ウィスコンシン、
そしてケンタッキーの各州が含まれます。
2007年にイェール大学の学生2人が自主製作しました。
アメリカを代表する農産物の一つ“トウモロコシ”
を巡る驚くべき実態を明らかにしていくドキュメンタリーです。
自分たちの体を構成している大部分が、
元を辿ればコーンに行き着くことに気づいたアメリカの若者2人が、
コーンについてもっとよく知ろうと、1エーカーの土地を借りて、
ほとんど見よう見まねでコーン栽培にチャレンジした日々に密着、
その過程で浮き彫りになっていくのは、
コーン偏重と行き過ぎた合理主義の歪んだ農業政策が生み出した
大きなひずみであり、コーンに極端に依存している現在の農業と
食生活がはらむ環境と健康への見過ごすことの出来ない危険性だったという内容です。