ヨーグルトをはじめとする発酵乳の歴史は古く、
5000~6000年前のエジプトの壁画にも、それに関する記述があります。
日本にヨーグルトが伝わったのは奈良時代で、
当時の「酪(らく)」という食品が、ヨーグルトにあたるとされています。
ただ、ヨーグルトが本格的に日本の家庭へ普及しはじめたのは、昭和25年ころのこと。
それもはじめのうちは、甘味料や寒天を加えてかためたお菓子的な製品が主流で、
現在のようなプレーンヨーグルトが広まるのは、昭和40年代に入ってからです。
ヨーグルトに含まれるおもな栄養素は、たんぱく質、脂質、カルシウム、
ビタミンA、B群、D、Eなどで、原料の牛乳と基本的にかわりません。
ただ、ビタミンB2やカルシウムなどについては、発酵の作用によって、
牛乳よりも多く含まれています。
しかも、ヨーグルトは乳酸菌の働きによって、
たんぱく質や脂質などがすでに分解されており、消化吸収率が非常に高いのが特徴。
そのため、牛乳の2~3倍の速さで体内に吸収されるうえ、
乳糖不耐症の人が食べても、おなかの調子が悪くなる心配が少ない、
という長所があります。
こうしたことから、ヨーグルトは子どもや老人をはじめ、
どんな人にでもすすめられる栄養食品です。
カルシウムは、骨粗鬆症などの骨の病気をはじめ、イライラ、情緒不安定、
不眠症に有効。
たんぱく質や各種ビタミンの働きにより胃潰瘍、胃炎、肝臓病、二日酔い、
虚弱体質、老化予防など、多くの病気や症状改善、予防にも役立ちます。
さらに、ヨーグルトを常食することで、
腸内の細菌バランスを良好に保つことができる点も見逃せません。
人の腸には約100兆個もの細菌が住んでおり、
そのなかには体に好ましい働きをする善玉菌、悪い影響を与える悪玉菌、
ふだんは目立った働きをしていない日和見菌がいます。
これらの細菌はつねに勢力争いをしており、善玉菌が多くなれば、
悪玉菌の活動や増殖を抑えて、体調を良好に保つ手助けをしてくれます。
逆に、悪玉菌がふえれば、善玉菌の活動が低下し、
日和見菌まで体に悪い働きをするようになるのです。
そのため、腸内の細菌のバランスを善玉菌優勢に保つことが、
健康維持のうえでとてもたいせつ。
そんな善玉菌の代表的なものがビフィズス菌であり、
腸内の細菌バランスを善玉菌優勢に保つのに、非常に効果的な食品なのです。
また、ヨーグルトの中の生きた乳酸菌も、
腸内のビフィズス菌の増殖を助ける役割をはたします。
このほかにも、肝機能強化などの働きもあり、
腸内を善玉菌優勢に保つことで得られる、健康への効用ははかり知れません。
ところで、ヨーグルトを置いておくと、固形の部分と乳清と呼ばれる透明の液体に
分離してきます。
この乳清は、水溶性のたんぱく質やミネラル、ビタミン類が溶け込んでいるので、
捨ててしまわず、ぜひいっしょに食べるようにしてください。
腸内がつねに善玉菌優勢に保たれていれば、
以下のような効用があることが認められています。
1・善玉菌がつくりだす乳酸や酢酸(さくさん)の働きで腸の蠕動運動が活発になり、
便秘を防止・解消。
痔(じ)や吹き出もの、肌荒れの予防にも役立つ。
2・悪玉菌が発がん性物質をつくるのを防いだり、
発がん物質そのものを無毒化することによって、大腸がんなど、
各種のがんを予防する。
3・善玉菌が体の免疫機能を活性化させることにより、
かぜをはじめとする各種の感染症を防ぐ。
4・乳酸や酢酸などが、病原菌の活動を抑えて、食中毒になりにくくする。