水分量は年齢とともに変化し、新生児で75%くらい、
4~5歳児で70%、成人女性が50%、成人男性が60%、
老人は50%ぐらいだといわれています。
私たちの身体には、たくさんの水分が含まれていて、
成人男性で体重の60%、新生児で約80%が「体液」とよばれる水分でできています。
つまり、体重70kgの成人男性ならば、
約42リットルもの水分を体内に蓄えていることになります。
まさに人間は水でできているといってもよいでしょう。
飲料水などでとった水分は、腸から吸収され、血液などの「体液」になって
全身をたえず循環しています。
体液は、私たちの生命に関わる様々な役割を果たしています。
それは、酸素や栄養分を細胞に届け、
老廃物(体内のゴミ)を尿として排泄することです。
そして体温が上がったときには、皮膚への血液の循環を増やし、
汗を出して熱を逃がし、体温を一定に保ちます。
人間の体は100兆個を超える細胞から成り立っており、
体重の約65パーセントを占める水分の約3分の2は、この細胞内に存在しています。
残り3分の1は、細胞と細胞の間に存在する細胞間液と血液にあり、
それぞれ生命を維持するために働いています。
人間は、水と睡眠さえしっかりとっていれば、
たとえ食べものがなかったとしても2~3週間は生きていられると言われています。
しかし、水を一滴も取らなければ、
いぜい4~5日で命を落としてしまうことになります。
体内の水が不足することを脱水症状と呼んでいますが、
脱水症状をおこすと、体温を調節する汗が出なくなり体温が上がってしまいます。
また、汗や尿が出なくなるため体内に老廃物が溜まり、
血液の流れが悪くなり、全身の機能が障害を起こして、死に至ってしまうのです。
まず、体重の約2パーセントの水分が失われただけでも、口やのどの渇きだけでなく、
食欲がなくなるなどの不快感に襲われます。
約6パーセント不足になると、頭痛、眠気、よろめき、脱力感などに襲われ、
情緒も不安定になってきます。
さらに10パーセント不足すると、筋肉の痙攣が起こり、
循環不全、腎不全になってしまい、それ以上になると、意識が失われ、
20パーセント不足で死に至るという報告がされています。
胎児は母親の子宮の中で、羊水という水に守られて成長を続けます。
胎児は、水の中にいるのと同じ状況なので、肺で呼吸はしておらず、
酸素と栄養は、子宮内に一時的にできる胎盤という器官を通じて、
母親から供給されているのです
(胎盤と胎児をつなぐ血管が束になったものが「へその緒」)。
また、胎児は常に羊水を飲み、排尿していることから、
羊水からもミネラル成分を吸収していると考えられています。