日本よりも早くからがんの死亡率が増加して深刻な問題となっていたアメリカ。
がんについての研究も先行していて、
食べものとの因果関係についてもさまざまな調査が行われてきました。
「どうやら野菜や果物などを中心とした食事には、
がんの予防に効果があるらしい」という報告をしました。
そして、90年に発表したのが「デザイナーフーズ計画」です。
これまでの膨大な調査から、がん予防に効果があると考えられる約40種類の食品を、
効果が期待できる順に上からピラミッド型に並べた
「デザイナーフーズ・ピラミッド」を提示。
その中から「1日5皿分以上の野菜と、200gの果物を食べよう」という
“5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)運動”を展開したのです。
数ある食品の中から、大麦もこの40種類に選ばれました。
アメリカではこの運動が行われたことで野菜の摂取量が増え、
がんによる死亡率も減少したといわれています。
では、デザイナーフーズ・ピラミッドにある野菜は、
なぜがんを予防する効果があるのでしょうか。
そこには「ファイトケミカル」が重要な役割を果たしていると考えられています。
ファイトケミカルというのは、
6大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)以外の
「非栄養素」と呼ばれる微量成分で、
ポリフェノールやアルカロイド、カロテノイドなどを総称するものです。
栄養素ではないものの、人間の健康に作用する機能性成分があり、
それによってがんの予防ができると期待されています。
ちなみに、大麦に含まれるファイトケミカルは、
多くの専門家が口をそろえて言うのは、
たとえばピラミッドの頂点にあるにんにくだけを大量に食べればよいのではなく、
ピラミッドに示された食品をまんべんなく食べることが大切だということ。
まずは、ピラミッドの中からバランスよく食材を選ぶことからはじめて、
5皿分以上食べることを目標にしてみてはいかがでしょうか。
この中にはハーブが6種類も入っています。
バジル、タラゴン、ミント、オレガノ、タイム、ローズマリーです。
さて「デザイナーフーズ・ピラミッド」のトップは、ニンニクです。
1・ニンニク
アメリカ国立がん研究所作成の「デザイナーフーズ・ピラミッド」で
最上位に位置付けられているほど優秀な野菜です。
にんにくの独特のにおいの元は硫酸アリルで、
病気や老化を招く活性酸素を抑制する強力な抗酸化作用があります。
にんにくを切ったり、すりおろすとアリチアミンに変化し、ガンを予防します。
また、にんにくに含まれるミネラルのセレンは、
ガン原因のひとつでもある過酸化脂質を分解する酵素になります。