逆に不足しているのはオメガ3系です。
昔ほど魚を食べなくなったためです。
血管をしなやかにして動脈硬化を防ぐのがオメガ3系です。
心臓の病気や脳卒中リスク、中性脂肪値を下げ、アレルギー症状を改善し、
脳の活性化も期待できので、週に3、4回の魚食が理想だといわれています。
魚が食べられない日は、エゴマ油やアマニ油を小さじ1程度取るのが理想です。
αリノレン酸は熱に弱く、加熱調理に向きません。
エゴマ油やアマニ油は、調味料として料理の仕上げにかけるとよいものです。
サラダや納豆、スープなどにかけるだけで、
手軽にオメガ3系を取ることができるからです。
酸化しやすいので密閉し、要冷蔵です。
かつて動物性のバターよりも低カロリーで健康的だとされていたのは、
マーガリンです。
摂取を控えた方がいい油である「トランス脂肪酸」を多く含むことで、
逆に要注意なのです。マーガリンは高価なバターの代替品として開発されました。
常温で液体の植物油や魚油の主成分の不飽和脂肪酸に水素を添加して
固まりやすい油脂(硬化油)を作ります。
その人工的な油脂からマーガリンは作られています。
不飽和脂肪酸に水素を添加する過程で、
水素が添加されず飽和脂肪酸にならない場合があります。
その場合、脂肪酸の軸が180°回転し、
これをトランス脂肪酸と言います。
自然界では脂肪酸のほとんどは水素が同じ側にあるシス型です。
一方、トランス型脂肪酸は自然界にはほとんど存在せず人工的に作られたものです。
牛や羊などの反芻動物では胃内のバクテリアによりバクセン酸と言う
トランス脂肪酸が生産されます。
すなわち、牛や羊の肉や乳にトランス脂肪酸が含まれています。
ただし、一般的なマーガリンに含まれている量より少量です。
また、食用油の脱臭目的で200℃以上の高温処理が行われる過程でも
トランス脂肪酸が生成されます。
HDH(善玉)コレステロールを減らし、
動脈硬化を促進し心疾患の危険性を高めることが確認されています(WHO)。
また、免疫機能の低下やアレルギー疾患の増加、
発がんのリスクを高める、認知症・糖尿病との関連など
様々なことへの関連が疑われています。
このトランス脂肪酸はマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、
それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナッツなどの洋菓子、
揚げ物などにも含まれています。
マーガリンより少ないもので、果実、果実加工品、
チョコレートなどに使用されています。