ネトルには血行促進効果があり、ケガの早期回復やリウマチ、
痛風、関節炎などにも有効といわれています。
ビタミンや鉄分が豊富に含まれていることから、貧血の予防にも効果があります。
血液を増やし、その汚れを浄化します。
また、ネトルに含まれている抗ヒスタミン成分には、
喘息や花粉症などのアレルギー症状を和らげる効果があるといわれています。
花粉症にお悩みの方は、ネトルのハーブティーを試してみましょう。
このハーブには消毒作用もあり、風邪やインフルエンザなどの
感染症から身を守ります。
ネトルには強壮作用もあり、体内に活力を作り出してくれます。
婦人病の治療にも用いられます。
◎ネトルの起源・由来
ネトルはヨーロッパ原産のハーブですが、その繁殖力の強さから今日では
世界中の至る所で見られます。
その歴史は古く、ビタミンやミネラルなど栄養素が豊富に含まれていたことから、
特に妊産婦の栄養補給に用いられてきました。
ネトルの名は、英語で「針」を意味するneedleに由来するといわれています。
葉や茎が棘に覆われているためです。
ネトルの効用を生かして、ヨーロッパでは春先にエルダーフラワーや
ダンディライオンとともにネトルを摂取し、
体質改善をはかる春季療法と呼ばれる方法があります。
わが国でも、血行を促進し体を温めるユズを冬至の時期に入浴に用いる
ユズ湯の習慣がありますが、こうした植物の力を生かした
ライフスタイルはどこの国にも存在するようです。
ネトルの含有成分はクエルセチンなどのフラボノイドやルチンなどの
フラボノイド配糖体、それにクロロフィル(葉緑素)やβ-シトステロールなどの
フィトステロール、さらにはβ-カロチンやビタミンCにケイ酸、
カルシウム、カリウム、鉄などのミネラル、
さらには葉酸などと多岐にわたります。
葉緑素の分子構造は人間の赤血球の血色素(ヘモグロビン)の
分子構造と類似しており、
血色素の分子構造の中心には鉄が配置されています。
この類似性から、伝統的な植物療法では、
体内で葉緑素が血液に変わるといった考え方がありあますが、
西洋医学や生化学では認められていません。
ネトルには鉄が含まれているため、貧血の人や妊婦さんが
服用するケースがあります。
鉄は体内での吸収率が低く、また、動物性食品に含まれている鉄よりも
植物性食品に含まれている鉄のほうが吸収しにくいことが知られています。
一方、ネトルの場合はビタミンCが含まれているため鉄の吸収が高まりますし、
また、フラボノイド類が鉄イオンをキレート化して可溶化するため、
吸収が高まると考えられています。
ケイ素は骨や歯、爪や髪などにカルシウムとともに存在し、
また、コラーゲンやエラスチンといった結合組織に働いて
構造を強化することでも知られています。
ネトルが血液浄化とは別に爪や髪の弱質化や瘢痕の修復など、
植物美容学や植物皮膚学の領域でも用いられているのはこのためです。
なお、ネトルはドイツの植物療法の公的機関である
コミッションEのモノグラムにも収載されていますが、
そこでの適応はリウマチや膀胱炎、尿道炎、
それに尿砂(結石の原因となる砂)を洗い流す目的で用いるとされています。