そして、鉄分やマグネシウム、リンなどのミネラルが多いのも、玄米の特徴のひとつ。
ミネラルには、カルシウムのように丈夫な歯や骨を作り、
血液をきれいにする働きがあります。
適切に摂取しないと、骨粗鬆症や貧血、神経過敏や
食欲不振などの症状を招きやすくなります。
体内に取り込まれた毒素の約75%は、排泄されます。
つまり、毒素の排出効率を上げるには、便秘の解消が不可欠ということ。
玄米に含まれている、白米の約6倍ともなる食物繊維は、
腸の働きを促進して便秘を解消し、毒素の排出をスムーズにします。
さらに、腸内環境を改善し、脂肪の吸収を抑制する働きもあります。
食物繊維の推奨摂取量は、1日あたり20gから30g程度です。
ところが、近年行われた国民健康・栄養調査によれば、
日本人の平均摂取量は1日あたり約14g。
多くの人が十分な量を摂取できていないのです。
玄米には、化学物質や重金属に対して強力な解毒作用をもつ
フィチン酸も多く含まれています。
フィチン酸は、水銀や鉛といった有害物質と結合して、
体外に排出する働きをします。
食物繊維やフィチン酸がもつ解毒作用によって、
玄米食は自然食志向の方やアレルギー体質の方からも高い支持を得ています。
ちなみに、玄米を発芽させた「発芽玄米」には、
これまでご紹介してきた栄養素に加え、
白米からの摂取が難しい「ギャバ」などの栄養素も豊富に含まれています。
健康を保つために必要とされるビタミンやミネラル、
食物繊維を炭水化物と同時に摂取できる玄米は、いわば「おかずつきのごはん」。
ダイエット、便秘解消などに貢献する栄養素をバランスよく摂取することができます。
しかし、玄米は白米と違って浸水時間が長く炊飯が難しい、
食感や味が苦手、という方もいらっしゃるでしょう。
そういった方にピッタリなのは、白米と同じように炊ける「加工玄米」。
手軽で、もっちりとした食感が美味しく、一般的な玄米と栄養価も変わりません。
さまざまなメリットがある玄米を、日々の食事に取り入れてみてください。
栄養豊富で健康によい玄米ですが、気になるのが農薬の問題です。
お米に残留農薬がある場合、農薬は油に溶けやすい性質があるため、
7割〜8割は脂質が多いぬかや胚芽の部分にたまるとされています。
ぬかや胚芽は精米すれば取り除かれる部分ですが、
それらが残ったままの玄米で食べる時には
当然、無農薬栽培のお米にすることしかありません。
最低でも「農薬残留検査」をしっかりした商品を選びましょう。