昨日まで炭水化物を2回に分けて書きましたが、
更に詳しく「デンプン」について書きます。
デンプンとは、植物の光合成によって作られる炭水化物(多糖類)です。
デンプンがゲルになったときにゲルの硬さに寄与します。
一方、アミロペクチンは、グルコースが分岐上に繋がった構造をしており、
アミロースと比較して保水性が高く、
デンプンが糊状態になったときの粘度に寄与します。
デンプン粒の中の糖鎖は隣接する糖鎖同士の水素結合により
強固な結晶構造を取っています。
ところが水を加えて加熱することにより水素結合が解かれ、
糖鎖間に水分子が入り込み、デンプン粒全体が膨張してきます。
この現象を糊化といいます。
一方で糊化後、冷却により糖鎖から水分子が離れ、
糖鎖同士の水素結合が再形成されて結晶状態に戻ろうする現象を老化といいます。
このようにデンプンは、加水した状態での加熱や冷却により形態変化を起こし、
食品の食感や物性に大きな影響を与えます。
デンプンには、小麦デンプン、タピオカデンプン、
とうもろこしデンプンなど、様々な植物を由来としたデンプンがあります。
これらデンプンに物理的・化学的に処理を加えることにより、
デンプンの構造や性質が変化して、
耐熱性や耐冷蔵性、耐冷凍性を付与することができます。
デンプンの食品への応用例
★麺類・皮類
・モチモチ感やしっとり感などの食感改善
・耐冷蔵性、耐冷凍性の付与
・卵白代替
★水産練製品
・硬さ、弾力、保水性の付与
・保形性、ボディ感の付与
・耐冷蔵性の付与、老化抑制
・各種たん白素材の代替