セリ科の一年草または二年草(越年草)。
ヨーロッパから地中海沿岸の原産といわれ、改良品種が栽培されています。
葉、茎、実の部分を食用にでき、独特の強い香りがあります。
古代ローマ・ギリシャ時代(紀元前8世紀)から香料や薬草として使われ、
食用にせず男性の強精薬[3]、整腸剤、香料として珍重されたほか、
ミイラの首飾りや、古代ギリシャのお祭りに飾られました。
1世紀ころの文献『ディオスコリデスの薬物誌』には、
「栽培種のアピウム(セロリ)の葉は、コエンドロと同じ薬効を持つ」とあり、
目の炎症の外用薬にしたり、生食して胸焼け、乳房の腫れ、
利尿に効能があるとしています。
日本には16世紀の終わりごろに、中国から朝鮮半島を経て伝わったものです。
加藤清正が文禄・慶長の役の際にニンジンの種と騙され日本に持ち帰り、
「清正ニンジン」と呼ばれたという説があります。
そして西洋では、食用に栽培されるようになったのは17世紀に入ってからで
ヨーロッパ南部で始まり、18世紀の江戸時代に入り、
完全な食用種としてのセロリが日本に輸入されましたが、
独特の強い香りのために普及しなかったようです。
日本で普及したのは昭和30年代のことで食生活が洋風化してからです。
色は緑、淡緑、黄白などで淡色野菜に分類されます。茎の高さは約30 - 75 cm。
6 - 9月ころ、白い小花を球状に咲かせ、全体にフタリド類(英)と
テルペン類化合物に由来する独特な芳香があります。
β-カロテン、ビタミンB1・ビタミンB2などのビタミン類、カルシウム、鉄など
のミネラル、食物繊維を多く含んでいます。
セロリにはビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれ、
血圧を下げる効果や、止血を促す効果が期待できます。
また、茎や葉に含まれているアピインやセネリンの香りには、
気持ちを落ち着けてくれる効果があるとされ、
イライラ軽減効果も期待できるそうです。
イライラしていると、自律神経の働きが不安定になり、頭痛、肩こり、めまい、
便秘などにもつながります。
春先など季節の変わり目は気圧や気候の変化もあって、イライラしがち……。
そんなときには、試しにセロリの香りを嗅いでみてください。
爽やかな香りを知れば、すっきりとした気分になるかもしれません。
セロリには「抗酸化作用」が期待できる栄養も含まれています。
抗酸化作用とは、加齢と共に増える老化の元、
「活性酸素」の生成を抑えてくれる働きのこと。
セロリに含まれているビタミンCは抗酸化作用が強いことで知られています。
加えてセロリには、カロチン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEが
バランスよく含まれていており、中でも、ビタミンCとEは、
一緒に摂取することでその効果をアップさせることができます。
美肌作り欠かせないビタミンに加え、疲労回復に欠かせない
ビタミンB群まで含まれているとなるとなれば、
セロリをかじらずにはいられないかもしれません。
セロリを保存するときには葉と茎を切り離して、それぞれ新聞紙などで包み、
立てて冷蔵保存してください。
ただし、セロリには体を冷やす効果があるので、食べ過ぎには要注意。
セロリに含まれる成分は熱に強いものが多いので、
温かいスープや鍋入れて食べるか、体を温めてくれる効果のある生姜や味噌と
一緒に食べるのがオススメです。