最近は朝食を抜く方が多いのですが、甲田医師が唱えられた時代は、
誰もそのようなことを言う医師も栄養士もいません。
ましてや20年前に食育基本法ができてからなお一層でしたが、
朝食を抜くなどとんでもないことだと批判するのは、
近代栄養学の理論だと甲田医師は何度も繰り返して本に書いていますが、
そのような意見は、50年前はまことに少数だったのです。
近代栄養学の理論では
1・脳の機能が低下する
ブドー糖を補給できないから・・・
★甲田療法では
しかし、午前中に食べないようにすると
・脳はブドー糖以外のエネルギーを探し、
ケトン体のようなものを使うようになる。
ゆえに午前中に憑かれてバテルことはない。
・長い指導体験からむしろ脳は冴えわたる方ばかりで
眠くなるとか疲れる方は皆無である。
2・さすが肉体労働はできないだろう
★甲田療法では
肉体労働も問題はありません。
脂肪と砂糖の入った朝食(ウィンナーソーセージ、目玉焼き、ベーコンとパン)を
食べますとその脂肪と砂糖(ブドー糖)は腸で吸収され、
血管内に入って血液と一緒に体の組織に送られていきます。
この脂肪を心臓とか骨格、筋肉の中に取り込み、エネルギーにするには、
リポ蛋白リパーゼを必要とします。
また脂肪も脂肪組織に取り込まれ、蓄えられますが、
その時もリポ蛋白リパーゼ・Aが働きます。
しかし、その時に働くの別のものなのです。
そして両方とも活性化しません。
血管の中を流れるブドー糖が増えてくる食後には、
インシュリンの分泌も盛んになります。
このインシュリンの血中濃度が高くなると後者のリパーゼBが活性化します。
そのために血中の脂肪は心臓や骨格の筋肉に取り込まれにくくなり、
むしろ脂肪組織の方に取り込まれててしまいやすくなります。
つまり食は心臓や骨格のエネルギー配分が悪くなり、
激しい運動には黄信号が点滅することになります。
しかし、今度は朝、食べないでおくと、血液中のブドー糖も減りますので
インシュリンの分泌も減ります。
この時に心臓と骨格の筋肉に脂肪をエネルギーとして
取り込むリポ蛋白リパーゼ・Aが活性化し、空腹時にこそ、
私たちの体は働くようになるのです。
したがって朝食を食べてすぐ地方仕事をするとかは知ったりするのは、
体の生理に反することをしている愚かなことなのです。