5・貧血を予防する効果
体内にある赤血球に存在するヘモグロビンは酸素と結合し、
全身の細胞ひとつひとつに運ばれます。
フィチン酸が赤血球に取り込まれると、
ヘモグロビンと結合した酸素が細胞まで運ばれたあと、
各細胞でヘモグロビンから酸素を離すという機能が強化されます。
酸素運搬機能が強化されることにより、
貧血をきたす慢性的な疾患にも応用できる可能性を秘めています。
6・生活習慣病による血液不調を改善する効果
動脈硬化(注・01)や冠動脈疾患(注・02)の原因となる可能性があります。
コレステロール値が高くなると、血中のミネラルバランスが崩れ、
亜鉛イオンの濃度が銅イオンの濃度よりもはるかに高くなることが分かっています。
フィチン酸はこの偏ったミネラルバランスを正常化する働きがあります。
1990年には、ライナス・ポーリング医科学研究所の
ラキシット・ジャリワラ博士と共同研究者により、
食物中のフィチン酸の効果について研究されています。
高コレステロール食で飼育した実験動物にフィチン酸を混ぜると、
フィチン酸を混ぜない場合に比べ、総コレステロール値で19%、
中性脂肪値で65%の低下が認められました。
この性質を利用することによる高脂血症や糖尿病の治療への応用が期待されています。
フィチン酸を含む食品
○米ぬか
○ごま
○小麦
○米
○インゲン豆
○とうもろこし
動脈硬化(注・01)
弾力性や柔軟性がなくなった状態のことです。
血液がうまく流れなくなることで心臓や血管などの様々な病気の原因となります。
冠動脈疾患(注・02)
心臓に酸素と栄養を送る冠状動脈の障害により、
血流が減少または不足して起こる病気の総称です。