タマネギの起源は諸説ありますが、現在のイラン周辺というのが一般的な説です。
その起源は相当古く、その後の栽培されたタマネギの記録でも
紀元前にまでさかのぼります。
しかも、ピラミッドを作る肉体労働者に配られていたとは、
当時からすでにタマネギの健康パワーが利用されていたことの証とも言えます。
その後かなりの時を隔てて、日本でタマネギが食用として広まったのは、
明治以降と言われています。
当初は馴染みのない食材ということで、
なかなか一般家庭に普及しなかったタマネギですが、
『玉ねぎがコレラに効く』という噂が広まり、爆発的に売れるようになりました。
魔除けに使われたり、コレラに効くと盲信されたりと、
タマネギには人に効果を期待させる何かが、今も昔もあるようです。
しかも、その期待される効果にはきちんと裏付けがあることが、
日々の研究で分かってきています。
玉ねぎの産地と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、北海道です。
でも、鹿児島県産の玉ねぎもぜひお料理のお供に加えてほしいと思います。
4~5月に収穫される新玉ねぎは辛味が少なく甘味が抜群。
シャキシャキとした食感と甘味は堀り立てならではの味わいです。
生で食べるのはもちろん、炒めたり、蒸したり、焼いたり、揚げたり・・・。
どんなお料理にもきっと大活躍してくれること間違いなし。
そんな玉ねぎがニンニクと並んで、ガンの予防に優れた効果があることを、
アメリカ国立ガン研究所が発表しています。
玉ねぎには20種以上の成分が含まれていることが確認されています。
涙の素である『硫黄化合物』には『硫化アリル』
『ジサルファイド』『ケルセチン』などの物質が含まれ、
それがガン・糖尿病・動脈硬化などに効果があるとして期待が高まっています。
硫黄化合物は、インシュリンの分泌を促進し、インシュリンを効率よく働かせて、
余った血糖を下げる作用があります。
玉ねぎを料理する際に辛みを消すために水にさらしますが、
これらの効果を期待するためには刺激臭をそのまま食べる
オニオンスライスやオニオンサラダなどがいいのだそうです。
最も重要な働きは、ビタミンB1の吸収に作用するということ。
新陳代謝を促進して体力アップ・疲労回復・集中力の持続・夏バテに効果があります。
つまり、ビタミンB1を多く含む食材と合わせるのがポイントです。
豚肉、大豆、鶏レバー、かつお、鮭などと一緒に食べましょう。
熊本大学の研究者らが、タマネギから分離した天然化合物「Onion A (ONA)」に
複数の抗がん作用があることを発見しました。
卵巣癌のマウスモデルやヒト・マウスの培養細胞を用いて
ONAの治療効果を検討したところ、ONAに抗がん作用があることが分かりました。
抗がん作用を詳しく調べたところ、
ONAはがんの増殖や進展を促進するマクロファージなどの
ミエロイド細胞の活性化を抑制し、
がんに対する免疫反応を賦活化させる役割がありました。