ダイコンに含まれている主な栄養素と効能・効果
「大根どきの医者いらず」ということわざにある通り、
大根は昔から体に良いものとされています。大根を食べることによって
摂取できる栄養素や、期待できる効能・効果について代表的なものを3つ紹介します。
1・イソチオシアネート
大根の細胞が破壊されることで発生し、大根の辛味の原因である
イソチオシアネートには優れた抗菌作用や血栓の予防効果があり、
がんの抑制効果も期待できるといわれています。
2・消化酵素
大根に含まれている消化酵素でデンプンを分解する
アミラーゼ(ジアスターゼ)は、食べ物の消化を促進し胸やけや胃もたれを防ぎます。
二日酔いの緩和などにもおすすめです。
3・ビタミンC
大根には老化や免疫機能の低下を抑える、抗酸化作用が期待できる
ビタミンCが含まれています。
ビタミンCは、美肌を保つために必要なコラーゲンの合成にも欠かせない成分です。
ダイコンの根
大根の根の部分は料理に使うものの、葉っぱは捨ててしまう……
といった方も多いのではないでしょうか。
実は大根の葉は緑黄色野菜に分類されるほどカロテンの含有量が多く、
またカロテン以外の栄養素もたっぷり含んでいます。
4・β-カロテン(ビタミンA)・ビタミンC
大根の葉の部分には、根に含まれていないβ-カロテン(ビタミンA)や、
根と比較して約5倍のビタミンCが含まれており、
両者ともに抗酸化作用が期待できます。
またβ-カロテンには、皮膚や粘膜の健康を維持する働きもあります。
5・カルシウム
骨や歯の形成に重要なカルシウムが豊富に含まれており、
大根の葉は野菜の中でもトップクラスといわれています。
根の部分と比較して、葉には10倍以上多くのカルシウムが含まれています。
6・カリウム
塩分の取りすぎを調節し、高血圧やむくみの解消に効果があるとされる
カリウムも含まれています。
こちらも根の部分と比べて、約2倍近くの量が含まれています。
★ダイコンの皮
根が食卓にのぼることも増えてきます。
大根をおいしく調理するには、下ごしらえの際に皮を厚くむくとよいそうですが、
むいた皮にも栄養があるのです。
第6の栄養素と注目される食物繊維
「大根の皮には、食物繊維が豊富に含まれているので、
捨ててしまうのはもったいないのです。
食物繊維は消化吸収されないことから、
価値の無いものと考えられていた時代もありましたが、
現代ではさまざまな研究でその有用性が認められています。
厚生労働省はHPで、
『整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、
第6の栄養素といわれることもある』と言っているほどです」
では具体的にどのような健康効果があるのでしょうか?
「食物繊維は水に溶けない不溶性と水に溶ける水溶性に大別できますが、
いずれも便通を整えて便秘を防いだり、
脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあるため、
生活習慣病の予防・改善にも効果が期待できるといわれています」
皮はき栄養豊富とはいえ、皮をむかずに大根を調理すると、
料理法によっては皮の繊維質が食感をそこなっておいしいとはいえません。
効果的な調理法はあるのでしょうか。
「大根の皮は固いので、その食感を活かす調理をすることが
おいしくいただくポイントです。
それには千切りにして油で炒めるきんぴらなどがおすすめです。
量が多い場合は、天日で乾燥させて自家製の切干大根にして保存し、
水で戻して甘辛く炒め煮にしてもおいしいです」(料理研究家)
冬はおでんや鍋などに大活躍の大根。むいた皮もたくさん出てきます。
皮にあった調理法で食物繊維を捨てることなくおいしく摂りましょう。
きんぴらや乾物でおいしくいただきましょう。