欠乏症の真逆、マグネシウムの過剰症とはいかなるものでしょうか。
マグネシウムは、過剰に摂取すると小腸で吸収量が調節されます。
摂取しすぎても尿や汗と一緒に体外に排泄されるため、
通常の食品で摂取する場合には過剰摂取による健康障害や副作用はみられません。
しかし、腎臓に障害がある場合には過剰摂取に注意が必要です。
過剰摂取により神経や心臓の筋肉が正常に働かず
低血圧や筋肉の麻痺が現れたり、下痢、吐き気、
筋力の低下が起こる場合があります。
さてここでマグネシウムの一口メモです。
1・にがりとマグネシウム
豆腐やこんにゃくをつくるときの凝固剤として、代表的なものが「にがり」です。
にがりは、海水から塩をつくる時にできる副産物です。
海水を煮詰めて濃縮させると、塩が固体となって現れます。
この塩を取り除いて残った液体がにがりで、主成分は塩化マグネシウムです。
ほかには塩化ナトリウム (一般的な食塩)や
亜鉛、鉄、リンなどのミネラルが50種類以上含まれています。
しかし、最近ではより工業的に扱いやすい硫酸カルシウムなどが
使われることが多くなり、凝固剤としてにがりを使用することが少なくなっています。
一時期、ミネラルが豊富ということで、にがりを水に溶かして飲む健康法や、
にがりを使ったダイエットが流行しました。
しかし、摂りすぎによって健康に害が出ることもあります。
マグネシウムは下剤としても利用されており、
その量に個人差はありますが過剰に摂ると下痢を起こします。
豆腐に含まれるにがりはごく微量なため、
マグネシウムの過剰摂取を心配する必要はありません。
にがりは豆腐から摂取する程度が良いといえます。
2・マグネシウムとカルシウムのバランス
マグネシウムとカルシウムは深く関わっているため、
バランス良く摂取することが大切です。
理想的なバランスが取れていると、心臓や血管などの機能が正常に働き、
骨や歯を丈夫に保つことに役立ちます。
マグネシウムは体内に入ると骨に貯蔵され、
不足すると骨から血液にマグネシウムが溶け出します。
骨粗しょう症の予防のために、カルシウムの積極的な摂取がすすめられていますが、
マグネシウムへの関心はあまり高くありません。
カルシウムが過剰になるとマグネシウムの吸収を低下させるため、
カルシウムを摂取するとともに、マグネシウムの摂取も心掛けることで、
さらに丈夫な骨をつくることができます。