1・基本情報
トマトはナス科の野菜で、日本では唐柿(とうし)、赤茄子(あかなす)、
蕃茄(ばんか)、小金瓜(こがねうり)などの別名があります。
トマトという呼び名はメキシコ先住民の言葉で「膨らむ果実」を意味する
「トマトゥル」からきています。
本来トマトゥルとはホオズキのことを指し、
トマトがホオズキの形に似ていたため同じ名前で呼ばれていたといわれています。
2・トマトの歴史
トマトはペルーのアンデス高地が原産の野菜です。
中央アメリカで作物化され、16世紀末にスペイン人によって
ヨーロッパへ伝えられました。当時はじゃがいもと同様、
観賞用植物として育てられていました。
日本へは17世紀の初頭、オランダ人によって伝えられたとされています。
当時は観賞用の植物であり、
唐なすびや唐がきなどの名で呼ばれていたとの記録が残っています。
3・トマトに含まれる成分
トマトは、カロテノイドの一種であるリコピンと
β-カロテンを豊富に含んでいることで有名です。
トマトは抗酸化力の強いリコピンを生成することにより、
自分の体を活性酸素[※3]から守っています。
リコピンはトマトに特に多く含まれる成分です。
またトマトのリコピンとβ-カロテンには、
その強い抗酸化力から生活習慣病の予防効果があることが証明されています。
トマトの酸味のもととなるクエン酸には食欲を増進させたり、
トマトは夏バテしやすい季節に適した野菜といえます。
また、美肌のために必要なコラーゲンの生成を助けるビタミンCや、
余分な塩分を排出し血圧を下げる作用を持つカリウムも豊富に含まれています。
さらに、最近の研究によってトマトに含まれる
13-oxo-9,11-octadecadienoic acid(略して13-oxo-ODA)と呼ばれる成分には
脂質代謝異常を改善する働きがあることが証明されました。
4・トマトの効果
トマトには、生活習慣病に効果のあるリコピン、13-oxo-ODA、カリウム、
ケルセチンなど様々な働きをもつ成分が豊富に含まれており、
以下のような働きが期待できます。
5・動脈硬化の予防・改善効果
トマトに含まれるリコピンは強い抗酸化力を持つため、
悪玉(LDL)コレステロールの酸化を抑制し、動脈硬化を予防する働きがあります。
さらに、トマトの食物繊維にもコレステロール値を低下させる働きがあります。
最近の研究によってトマトに含まれる
13-oxo-ODAが脂質代謝異常を改善することも判明しました。
リコピンや13-oxo-ODAにより動脈硬化が予防できることに加え、
ケルセチンには血管を丈夫にする働きがあり、
香り成分であるピラジンには血液をサラサラにして血栓を防ぐ効果があります。
トマトに含まれる様々な成分によって
動脈硬化を予防・改善できるといわれています。
実際にトマトを多く食べる地域の人はそうでない地域の人と比べて、
動脈硬化の人が少ないというデータがあります。
(わかさの秘密から)