ラベージ (ロベージ、ラビッジ、ラベッジ、学名:Levisticum officinale) は
ハーブとして使われるセリ科、セリ亜科の多年生植物で、
この種のみでLevisticum属を構成。長くヨーロッパで栽培されてきた種で、
その葉はハーブとして用いられ、種はスパイスとなり、根も食用です。
正確な原産地はまだ分かっておらず、いくつかの説があります。
例えば、ヨーロッパの大部分とアジア南西部が原産地であるという説、
地中海東部であるという説、
もともとイランやアフガニスタンが原産であったものが
ヨーロッパに帰化したという説があります。
形態と生態
ラベージはセリ科の大きな多年草で2メートル程に成長するものもあり、
葉、茎、根、種と全て食べる事ができるハーブです。
人参、セロリやパセリの仲間で、見た目はセロリによく似ていますが
セロリより強い味と風味があり、
サラダ、スープやシチュー、ソースなどに適しているようです。
中世のヨーロッパでは種が媚薬としても使われていたので、
「愛のパセリ(Love Parsley)」という別名もあるとの事。
原産はヨーロッパなのか南西アジア地方なのかなど諸説があるようですが、
胸やけ、膨満感など消化器官の健康促進、抗炎症作用、抗アレルギー、
免疫力を上げるなどの薬効があるので古くから人の役に立ってきたハーブです。
夏には小さな黄色い花を咲かせます。
どんな働きがあるの?
♦ 腎臓の健康に
利尿作用のあるハーブの中でも、ラベージの利尿作用は水利尿と呼ばれるもので、
電解質を失わずに水分を排出する作用です。
したがって、排尿を促進しますが、脱水症状を起こすリスクは低く、
腎臓結石の予防やデトックス効果があるので腎臓に限らず
身体全体の健康を促進します。
♦ 抗アレルギー効果
ラベージには、ヒスタミンの放出を阻む働きをするケルセチンが含まれているので、
アレルギー性の肌のトラブル、鼻水、目の痒みなどの症状を改善してくれます。
♦ 呼吸器系の健康に
肺から過剰な痰や粘液を取り除き、炎症を抑える働きをします。
呼吸も楽になり、肺や呼吸器の健康を促進します。
♦ 美肌効果
伝統的には皮膚炎やニキビ治療に使われてきました。
抗酸化作用によるシワの予防、また皮膚の血流が促進されるので
肌のトーンアップにも効果的です。
♦ 抗菌作用
研究によりラベージには大腸菌、サルモネラ菌、ピロリ菌など様々な病原菌に対して
良い効果をもたらす事が示されていますが、研究はまだ続いています。
感染症の改善において大いに期待を持てます。
♦ 消化の問題に
ラベージの抗炎症作用は、胃のむかつきを抑えてくれます。
また膨満感やガスの溜まりなど消化器官に優しく働きかけ、症状を改善してくれます。
♦ 関節炎に
抗炎症作用は関節炎や痛風などの症状を有害な副作用なしに和らげるのに効果的です。
♦ 生理痛に
生理が始まる頃に摂取すると、生理に伴う痙攣や膨満感などの症状を緩和し、
ストレスも軽減する働きをします。