アブラナ科、トモシリソウ属でヨーロッパ原産の多年性植物です。
ホースラディッシュまたはレフォール、北海道では山わさびと呼ばれます。
日本には明治初年に伝来し、西洋料理ではローストビーフなどの付け合わせや、
ソースの具材として使われます。
辛さは本わさびの約1.5倍あり「粉わさび」や
「チューブタイプ」の加工わさびの原料としても使われています。
英名のホースラディッシュ(horseradish)は、
英単語のhorseとradish(ハツカダイコン、ラディッシュ)を組み合わせたものです。
horseはウマのことであるが、かつてはよく「強い」「大きい」「粗い」
といった性質を比喩する言葉として形容詞的に用いられていました。
別名にワサビダイコン(山葵大根)、
フランス名由来のレフォール(レホール、raifort)、ウマワサビ、
英名の直訳でウマダイコン。
商品名で(水場で作られることが多い本わさびに対して)「山わさび」と
呼ばれることもあります。
産地
日本では加工わさびの原料として、以前は、
長野県、埼玉県、北海道で栽培されていましたが、
現在では北海道が主な産地になっています。
日本の使用量の大半は、加工わさびの原料ですが
主に中国からの輸入原料でまかなわれています。
歴史
ギリシャでは紀元前より使用され、
1世紀頃にはローマ帝国で香辛料として使用されていたと言われています。
そして、13世紀頃にはドイツでソースとして魚や肉料理に使用され、
その後、イギリスに伝わり急速に普及した様です。
栽培
西洋わさびは種子が出来にくく、根で増殖します。
日本の主な生産地の北海道での植え付け時期は5月頃で、
収穫時期は10月~11月頃です。
原産地であるヨーロッパの気候に似ている北海道が栽培に適しています。
白色をした根には強い辛味があり、すりおろしたものはローストビーフの薬味として
欠かせないものとされています。
その他、特に生産が盛んな北海道ではすりおろしたものに
醤油をかけてご飯のおかずとする習慣がある他、
道産山わさびを使ったカップラーメンがコンビニエンスストアで販売されています。
ブリの刺身の薬味として用いることもあります。
ワサビやカラシ同様、すりおろして長時間置くと辛味成分が揮発してしまうため、
早めに食べることです。