ファスティングは歴史を大変革していきます。
ヨーロッパを根底からひっくり返した
宗教改革者、マルチン・ルターはファスティングを何度も繰り返していましたので、
死をも恐れず、戦い抜きました。
(1869年10月2日 - 1948年1月30日・インドのグジャラート出身の弁護士、
宗教家、政治指導者)は、
ファスティングをルターのように何度も行い、たった一人でインドを
イギリスの支配から解放させた人です。
一切の私利私欲があってはならないと知り抜いていました。
このことをガンジーは
「たとえば私が父親に対して、父親の酒乱など悪習を止めさせるために
断食をすることはできますが、
父親の遺産をもらうために断食することはできないのです」と説明しています。
まさに修道院で伝えられてきたキリスト教のファスティングと酷似しています。
1930年代のことですが、このようなエピソードが伝えられています。
「ニューデリーで暴動が起きても、
英国政府高官はニヤリと笑みを浮かべるだけだったが、
マハトマ・ガンジーが断食をすると英国の官庁全部が震え上がった」といいます。
真のファスティングは国家も世界も動かすのです。
すると日本のファスティング施設は何をしているのでしょうか。
ファスティングはただ単に個人の趣味と実利なのでしょうか。
ダイエットやデトックだけのファスティングではあまりのも矮小化しすぎています。
またガンジーはファスティングだけではなく、徹底した菜食主義でした。
ガンジーの菜食主義思想はインドのヒンドゥー教やジャイナ教の伝統と
彼の故郷グジャラートに深く根づいており、
彼は様々な飲食物を試した後、
「菜食は体に必要な最低限度を満たす」という結論に達し、
日常の食事は穀物、豆類、果実、ヤギ乳、蜂蜜に限定していました。
ガンディーの菜食主義は「殺されるのを嫌がっているものは食べない」
という信念に基づいており、「自ら実をつけて熟して実を落とすものをとるべき」と
いう徹底していました。
ファスティングはその信仰を根底から支えるものとなっています。
5つの掟(または五行)に含まれています。
1・メッカ巡礼(ハッジ・経済的・肉体的に可能であれば、
ヒジュラ暦第十二月であるズー=ル=ヒッジャ月(巡礼月)の8日から10日の時期を中心に、メッカのカアバ神殿に巡礼する)
2・日々の祈りの時間(サラー・一日五回、キブラに向かって神に祈る)
3・アラーへの信仰告白(シャハダー・アッラーの他に神は無い。
4・喜捨(ザカート・収入の一部を困窮者に施すこと
5・断食(サウム・ラマダーン月の日中、飲食や性行為を慎むこと。)
全世界のイスラム教徒は、日が沈むまで飲食、喫煙、性行為は禁止されます。
そして断食期間の最後は盛大な祭りで終わりますし、
ラマダーン以外にもあらゆる記念日に断食をします。
シーア派では十行となっています。
(礼拝、喜捨(施し)、断食、巡礼、五分の一税、ジハード(努力すること)、
善行、悪行の阻止、預言者とその家族への愛、(預言者とその家族の敵との絶縁)
以上、見てきましたように世界的宗教は断食とは切っても切れない関係なのです。