アウグスティヌスは、ヨーロッパの中核をなす人物です。
「世界史の窓」では次のようにその思想を紹介しています。
・・・Augustinus 354-430 は、ローマ帝国末期に、
父は異教徒、母は熱心なキリスト教徒であったが、
青年時代の彼は、一時若い奴隷の女性と結婚したり、
マニ教の教義に惹かれたりして信仰に悩んだ。
384年、ミラノに行きアンブロシウスの説教を聞き、
また新プラトン主義の哲学に触れて思索を深め、キリスト教に回心した。
アフリカにもどり、ヒッポの司教として、
次第にカトリック教会としてのキリスト教理論をうち立てていった。
国家に奉仕する宗教としてではなく、
この世に「神の国」を出現させるものとして教会を位置づけ、
教会の恩寵を説き、その典礼を定めたもので、
世俗の国家に超越する「教会」(ローマ教皇を中心とした聖職者の組織)という
中世ヨーロッパのもっとも根幹となる思想の原型を造ったと言える。
また、カトリックの中心思想である三位一体説は、
アウグスティヌスによってさらに理論つけられた。
その著作は多いが、主著の『神の国』『告白録』などは、
中世の神学の基礎とされ、スコラ学のトマス=アクィナスなどに
大きな影響を与えた。
また、宗教改革のルターにも彼の著作から多くを学んでおり、
近代ヨーロッパの思想家にもたびたび取り上げられている。・・・
「アウグスティヌスの戒則」に「断食の翼」という文章があります。
・・・「断食はつらいものだ。だが、もしそれであなたの兄弟たちが
もっと元気にならないのなら、十分でない。
節制することで他の人に贈り物ができるとき、それは実り豊かなものになる。
あなたが今日、とらなかった食事で、
どれだけ多くの貧しい人々の腹を満たすことができるだろう。
断食するときは、あなたが食を断つことによって、
ほかの誰かが腹を満たしたら嬉しいと思うようになりなさい」
素晴らしいファスティングの要点をついています。
ゆえにアウグスティヌスを知らずして
ファスティングは語れないということです。
このファスティングの中に大きな真理が隠されています。
「情けは人のためならず、何でも分け与えれば、減るのではなく、増える」、
つまり「分かち合えば苦しみは半分になり、喜びは倍になる」という真理です。
まさにこれはイエスが語られた言葉なのです。
マタイによる福音書
わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、
わたしにしてくれたことなのである。
ファスティングは自分のためだけではないということを
藤樹の宿のファスティング講座でいつも話しています。
来会者の99%がそうではないからです。
自分に健康維持のため、自分の病気改善にためなので、
Vの真の目的を指し示すことは、藤樹の宿の使命なのです。